元興寺(がんごうじ) |
現在、「史跡元興寺」として指定されている地域は(1)奈良市中院町の「元興寺極楽坊」、(2)同市芝新屋町の「元興寺(塔跡)」(3)同市西新屋町の「元興寺小塔院跡」の3か所である。これらはいずれも、蘇我馬子が6世紀末、飛鳥に建立した日本最古の本格的寺院、法興寺(現在の飛鳥寺)の後身である。和銅3年(710年)の平城京遷都に伴って、飛鳥にあった薬師寺、厩坂寺(のちの興福寺)、大官大寺(のちの大安寺)などは新都へ移転した。法興寺は養老2年(718年)平城京へ移転したが、飛鳥の法興寺も廃止はされずに元の場所に残った。通常、飛鳥にある寺を「法興寺」「本元興寺」、平城京の方の寺を「元興寺」と称している。「法興」も「元興」も、日本で最初に仏法が興隆した寺院であるとの意である。 奈良時代の元興寺は三論宗と法相宗の道場として栄え、東大寺や興福寺と並ぶ大伽藍を誇っていた。寺域は南北4町(約440メートル)、東西2町(約220メートル)と南北に細長く、興福寺の南にある猿沢池の南方、今日「奈良町(ならまち)」と通称される地区の大部分が元は元興寺の境内であった。猿沢池南東側にある交番のあたりが旧境内の北東端、奈良市音声館(奈良市鳴川町)のあたりが旧境内の南西端にあたる。 奈良においては東大寺、興福寺が勢力を増す一方で、元興寺は律令制度が崩壊する10~11世紀以降徐々に衰退していった。 長元8年(1035年)の「堂舎損色検録帳」という史料によると、金堂をはじめとする元興寺の伽藍は、この頃には荒れ果てて見る影もなかったという。この頃、元興寺の別当が修理のために、玄象(絃上)と並ぶ名物とされた寺宝の琵琶「元興寺」を後朱雀天皇に売却したという話が「江談抄」「古今著聞集」に見え、寺宝の琵琶を手放さなければならなかった元興寺の窮状を伝えている。なお寛元四年(1246年)の記録では、この頃までに五重塔の四、五重目と相輪が失われ、南大門、鐘楼が大破していたという。 極楽院は明治以降は荒れ果て、現在国宝に指定されている本堂も1950年ころまでは床は落ち、屋根は破れて「化け物が出る」と言われたほどの荒れ方であった。第二次世界大戦中の1943年に極楽院の住職となった辻村泰圓は戦災孤児のための社会福祉事業に尽力するかたわら、境内の整備や建物の修理を進めた。1962年には辻村により境内に財団法人元興寺仏教民俗資料研究所が設立され(1978年に元興寺文化財研究所と改称)、1965年には寺宝を収蔵展示する収蔵庫が完成するなど、徐々に整備が進んだ。元興寺仏教民俗資料研究所は、本堂解体修理中に屋根裏から発見された数万点の庶民信仰資料(板塔婆など)を研究することを当初の目的として設立された。極楽院は1955年に「元興寺極楽坊」と改称、さらに1977年に「元興寺」と改称されている。2010年8月禅室の一部に使用されている木材が世界最古の現役木製建築部材であることが確認された。(2013.7.6訪問) |
創建年:593年 | 開基:曽我馬子 | 本尊:智光曼荼羅 | 別称:・・・ | 宗派:真言律宗 |
749年現在南都七大寺のうち元興寺は東大寺に次ぐ格付けであった、この写真は10世紀の頃、黒い点が人が住んでいるところ。拡大して見て下さい。 |
それが12世紀になると興福寺周囲には多くの人が住みだし(黒い点が民家)元興寺には寺の中に人が住みだしている。拡大してください。 |
これは現在の鳥瞰図、大きくして見て下さい。下のほうに現在の元興寺の寺域が、なんと寂しい大きさになっております。 |
江戸時代の東塔実測図。東塔は1855年明治維新の直前に焼失している。もったいない。これも拡大して見て下さい。
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奈良の人にとっては世界遺産の運動をやったわけではなく知らぬ間になっていたという感覚が強いらしい? |
元興寺・東門、何故か東大寺西南院から移築されたものだそうです。 |
東門を寺の内から撮ったものです。凄く雰囲気はありました。 |
本堂(国宝)は鎌倉時代の創建で、平安時代後期には寺を支えるのは政府や貴族ではなく一般庶民だったそうです。 |
禅室(国宝)本堂の西に軒を接して建っている、屋根瓦には飛鳥時代のものが使われているとかで良く見ると分かった。 |
宝物館、中には五重小塔(国宝)他、色んなものが展示してあったがやはり説明つきでないと見過ごしてしまう。 |
発掘の際に出てきた墓石とのことで禅室に平行に建てられていた、こちらは少し高貴なひとか? |
先ほどの墓石と同じで先ほどの西側にあった、こちらは庶民? |
左が禅室、右が本堂、禅室の右端から10列位が飛鳥時代の瓦、本堂の禅室瓦も飛鳥・奈良時代のものとか。 |
左の写真より少し近づいて撮った、大きくして見て下さい。違いがわかります。 |
本堂から東門を見たこのアングルも自分としては好きである。 |
北門、閉鎖されていて寂しさを感じた。 |
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